肌フローラとは？　若々しい肌のカギ美肌菌を育むスキンケアの新常識

2025年1月4日

私たちの肌は、紫外線や乾燥などの外部刺激から身を守るためのバリア機能を持つ事で、肌の治安を守っています。その肌の表面には、実は何兆もの細菌や微生物が生息していることをご存知でしょうか？

これらの微生物は「肌フローラ」と呼ばれ、近年、スキンケアにおいて注目を集めるキーワードの一つです。こちらの記事では、肌フローラの仕組み、美肌菌との関係、そして美肌菌を育むためのスキンケアの方法について解説します。

肌フローラとは？

「フローラ」とは、植物の生態系や群生を意味する言葉で、細菌や真菌、ウイルスなどの微生物群を指します。有名なもので、腸内フローラ（腸内細菌）という言葉は、よくテレビや雑誌でも目にするのではないでしょうか？

肌のフローラは、腸内フローラと同様に善玉菌、悪玉菌、そして日和見菌で構成されており、そのバランスが肌の健康を左右します。

善玉菌（美肌菌）: 肌の健康維持に欠かせない細菌で、肌の保湿を保ち、外敵からの防御に役立ちます。代表的な菌には、表皮ブドウ球菌（Staphylococcus epidermidis）があります。この菌は、皮脂を分解して保湿成分であるグリセリンや脂肪酸を生成します。
悪玉菌: 肌トラブルの原因となる菌で、黄色ブドウ球菌（Staphylococcus aureus）などが含まれます。これらの菌が増殖すると、ニキビや炎症などの問題が発生します。
日和見菌: 通常は肌に害を与えませんが、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、悪玉菌と同様の影響を及ぼします。

善玉菌（美肌菌）が増えることで、美しい肌を保つことができます。では、美肌菌が増えると、肌にどのような影響を与えるのでしょうか？

善玉菌（美肌菌）が優勢になっていると、すこやかで美しい肌を保つことができます。美肌菌が優勢であると、以下のような肌機能が活発になります。

肌フローラのバランスが乱れると、乾燥肌や敏感肌、ニキビなどの肌トラブルが発生しやすくなります。そのため、美肌菌を育て、悪玉菌の増殖を抑えることで、美しい肌に近づくことができるでしょう。

美肌菌を増やし、肌フローラのバランスを整えるには、日常的なスキンケアの見直しが欠かせません。次にあげるようなスキンケアのポイントを見直してみましょう。

洗顔は肌を清潔に保つために必要ですが、やりすぎは禁物です。洗浄力の強い洗顔料や長時間の洗顔は、肌フローラ全体を流してしまい、善玉菌を減少させる原因になります。

以下の点に注意しながら、洗顔するようにしましょう。

素早く洗えるのにしっかりメイクや汚れを落とせる洗顔料って、なかなか探すのも大変！　という方におすすめの洗顔料がありますので、気になる方はこちらの記事もチェックしてください。

肌フローラのバランスを保つためには、十分な保湿が不可欠です。保湿成分としては、「セラミド」「グリセリン」「ヒアルロン酸」などが含まれるスキンケア商品を選びましょう。

また、アルコール成分を含む化粧品は肌を乾燥させることがあるため、注意が必要です。

プロバイオティクスとは、適正な量を摂取すると健康に有益な効果をもたらす生きた微生物のこと。乳酸菌やビフィズス菌などが有名ですね。プロバイオティクスが腸内環境を整えるように、肌用のプロバイオティクス配合スキンケア製品も登場しています。

プロバイオティクスは美肌菌の成長を促し、悪玉菌の抑制に役立ち、乳酸菌やビフィズス菌を配合した製品は、バリア機能を高める効果があると言われています。

紫外線は肌フローラのバランスを崩し、悪玉菌を増やす原因になります。外出時には、「日焼け止め」「帽子や日傘」を使用し、紫外線から肌を保護するように心がけましょう。

スキンケア以外にも、生活習慣の見直しが肌フローラを整えるカギとなります。以下のポイントを見直してみましょう。

バランスの良い食事: 食物繊維や発酵食品を積極的に摂取し、腸内環境を整えることも美肌にもつながります。ヨーグルト、納豆、味噌などの食品を取り入れましょう。
質の良い睡眠: 睡眠不足は肌の回復を妨げ、バリア機能を低下させます。規則正しい睡眠習慣を心がけるようにしましょう。
ストレス管理: ストレスはホルモンバランスを乱し、肌フローラにも悪影響を与えます。リラックスできる時間を意識的に作ることが重要です。